更年期世代こそ意識したいたんぱく質。毎日の食事に取り入れるための基本

「以前より疲れやすくなった」「体重は変わらないのに、体のラインが変化した気がする」。更年期世代になると、こうした変化を感じることもあるかもしれません。
年齢を重ねても自分らしく過ごすために、毎日の食事で意識したい栄養素のひとつが、たんぱく質です。たんぱく質というと、筋力トレーニングをする人がプロテインで摂るもの、というイメージがあるかもしれません。しかし本来は、特別な運動をしている人だけでなく、誰にとっても必要な栄養素です。
今回は、たんぱく質の基本的な働きや、更年期世代が意識したい理由、身近な食品から無理なく取り入れる方法をご紹介します。
たんぱく質は、体をつくり、働きを支える栄養素

たんぱく質は、筋肉だけでなく、臓器、皮膚、髪など、体を構成する材料になります。また、ホルモンや酵素、抗体など、体の働きを調整する成分にも使われる大切な栄養素です。
たんぱく質は約20種類のアミノ酸が結びついてできており、そのうち体内で十分につくることができないアミノ酸は、食事から補う必要があります。
つまり、たんぱく質は美容や筋力のためだけに摂るものではありません。炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルなどとともに、日々の健康を支える基本的な栄養素として、バランスよく摂ることが大切です。
更年期になったら、必要量は急に増える?
「更年期になったら、若い頃よりもたんぱく質をたくさん摂らなければ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、更年期を迎えたことだけを理由に、急に特別な量が必要になるわけではありません。
成人女性の1日当たりのたんぱく質推奨量は、30〜49歳、50〜64歳ともに50gが目安です。1日に摂るエネルギーのうち、たんぱく質から摂る割合の目標量は、いずれの年代も13〜20%とされています。
ただし、こうした数値は健康な人を対象にした食事の目安です。体格や活動量、普段の食事量などによって、必要な量は一人ひとり異なります。50gという数字だけを達成しようとするのではなく、自分の食生活を振り返るための目安として捉えてみてください。
更年期世代は、これから先の筋肉量や体力にも目を向けたい時期です。食事量が少なくなっている、忙しくて簡単な食事で済ませることが多い、体重を気にして主菜を控えているという方は、たんぱく質を含む食品が不足していないか、一度振り返ってみてもよいかもしれません。
たくさん摂れば、筋肉が増えるわけではありません
たんぱく質は筋肉の材料になりますが、摂取量を増やすほど、筋肉量が比例して増えるわけではありません。筋肉を維持するには、食事だけでなく、日常的に体を動かすことも大切です。
体づくりの基本は、活動量に合ったエネルギーと栄養素を、過不足なく摂ることです。プロテインや高たんぱく食品だけに頼るのではなく、まずは毎日の食事全体を見直してみましょう。
主食、主菜、副菜を組み合わせながら、無理のない範囲で歩いたり体を動かしたりすることが、これからの体を支える土台になります。
たんぱく質を含む、身近な食品
たんぱく質は、特別な健康食品だけに含まれているものではありません。普段スーパーで手に取るような、次の食品にも含まれています。
- 肉類
- 魚介類
- 卵
- 大豆・大豆製品
- 牛乳・乳製品
肉、魚、卵、大豆・大豆製品を主材料とする料理は「主菜」と呼ばれ、毎日の食事でたんぱく質を摂るための中心的な役割を担っています。
動物性と植物性のどちらか一方だけを選ぶ必要はありません。魚を食べた翌日は豆腐や納豆にする、肉料理に大豆製品や野菜の副菜を添えるなど、いろいろな食品を楽しみながら取り入れてみましょう。
加工食品は商品によって含まれる量が異なるため、気になるときは、パッケージの栄養成分表示を確認してみるのもよいでしょう。
毎日の食事に無理なく取り入れる4つの工夫

細かな栄養計算を毎日続けるのは、負担に感じることもあります。まずは、いつもの食事にたんぱく質を含む食品があるかを確認し、できることから取り入れてみましょう。
1.毎食、主菜があるかを確認する
食事を用意するときは、「肉、魚、卵、大豆製品などを使った主菜があるか」を確認してみましょう。
昼食がおにぎりやパンだけになりそうな日は、ゆで卵やヨーグルト、牛乳、豆乳など、手軽に取り入れられるものを組み合わせる方法があります。麺類だけで済ませることが多い場合は、卵や肉、魚、大豆製品などを加えてみてもよいでしょう。
最初から完璧な食事を目指す必要はありません。いつもの食事にひとつ加えるだけでも、たんぱく質を補いやすくなります。
2.朝・昼・夕に分けて取り入れる
夕食では肉や魚を食べていても、朝食は飲み物だけ、昼食は麺だけという日もあるかもしれません。
1日の終わりにまとめて摂ろうとせず、朝・昼・夕それぞれに、少しずつたんぱく質を含む食品を取り入れてみましょう。
朝から料理をする余裕がない日は、納豆や卵、ヨーグルト、チーズ、牛乳、豆乳など、準備に手間のかからないものが役立ちます。昼食や夕食とのバランスを見ながら、自分の生活に取り入れやすい食品を選んでみてください。
3.市販品も上手に活用する
毎回すべてを手作りする必要はありません。缶詰の魚、パック入りの豆腐や納豆、サラダチキン、冷凍の魚、ゆで卵なども、忙しい日の食事を支える選択肢になります。
市販品を利用するときは、たんぱく質量だけでなく、エネルギーや脂質、食塩相当量などの表示もあわせて確認してみましょう。
手作り、外食、市販品を上手に組み合わせることも、無理なく食生活を整える方法のひとつです。
4.食事全体のバランスを考える
体づくりには、たんぱく質だけでなく、活動するためのエネルギーや、体の調子を整えるさまざまな栄養素も必要です。
肉や魚だけに偏らず、ごはんやパンなどの主食、野菜、きのこ、海藻などを使った副菜も組み合わせましょう。
「高たんぱく」という言葉だけにとらわれず、食事全体のバランスに目を向けることが大切です。
プロテインは必要?
普段の食事から必要なたんぱく質を摂れている場合、すべての人がプロテインを利用する必要はありません。
一方で、食事だけでは十分に摂りにくい場合や、運動量が多い場合などに、補助的に取り入れるという選択肢もあります。ただし、プロテインは食事そのものの代わりにはなりません。製品に表示された摂取方法や量を確認し、食事とのバランスを見ながら取り入れましょう。
腎機能が低下している場合など、たんぱく質の摂取量を調整する必要がある方もいます。腎臓の病気で治療中の方や、医師から食事について指示を受けている方は、自己判断で摂取量を増やさず、医師や管理栄養士に相談してください。
まとめ|特別な食品より、いつもの食事を見直して
たんぱく質は、筋肉、臓器、皮膚、髪などの材料となり、私たちの体を支える大切な栄養素です。
更年期だからといって、急に大量のたんぱく質が必要になるわけではありません。まずは、毎日の食事に肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などが含まれているかを振り返ってみましょう。
「毎食完璧に」と考える必要はありません。朝食に卵やヨーグルトを加える、昼食に魚や大豆製品を取り入れるなど、続けやすい方法から始めてみてください。
たんぱく質だけに偏らず、主食や副菜、適度な身体活動と組み合わせながら、これからの体を支える食生活を整えていきましょう。
毎日の食卓|鮭ときのこの包み焼き
たんぱく質を毎日の食事に取り入れるなら、身近な食材を使った、無理なく作れる一品から始めてみましょう。
鮭ときのこの包み焼きは、材料をアルミホイルで包み、フライパンで蒸し焼きにするシンプルな料理です。鮭を主菜にしながら、きのこや玉ねぎも一緒に取り入れられます。
材料(2人分)
- 生鮭:2切れ
- しめじ:1/2パック
- 玉ねぎ:1/4個
- 酒:大さじ1
- バター:10g
- 塩・こしょう:少々
- ポン酢:適量

作り方
- 玉ねぎは薄切りにし、しめじは石づきを取って小房に分けます。
- 鮭の表面にある水分をキッチンペーパーで軽く拭き取り、塩・こしょうを振ります。
- アルミホイルを広げ、玉ねぎ、鮭、しめじの順にのせます。酒とバターを加え、蒸気が逃げないように包みます。
- 包んだものをフライパンに並べ、フライパンの底から1cmほどの高さまで水を注ぎます。ふたをして中火にかけ、蒸気が上がったら弱めの中火で10~15分ほど蒸し焼きにします。
- 鮭の中心まで十分に火が通っていることを確認し、器にのせます。お好みでポン酢をかけていただきます。
鮭の厚みや調理器具によって、火が通るまでの時間は異なります。加熱が足りない場合は、様子を見ながら時間を追加してください。
料理をする余裕がない日は、納豆や豆腐、卵などを添えるだけでも構いません。手の込んだ料理にこだわらず、生活に取り入れやすい方法で続けていきましょう。
参考
